control はて、ピッチャーのコントロールとは別物か
はじめて医学の文献に接した人が困るもののひとつに control がある。
われわれの知っている control とはせいぜい、制御くらいなもので、コントロールのいいピッチャーと言う時の control くらいしか浮かんでこない。
もし、これと同じ意味で使われているのだとしたら、control group は理解しがたい。
先に種明かしをすると、この場合、対照群という意味で、効果を評価しようとする薬剤を投与するグループに対して、このグループと性別、年齢、健康状態などに差がないグループをもうひとつ設け、その薬剤とは別のすでに効果が明らかにされている薬剤または外観だけを同じくするが効果のないプラセボと呼ばれるものを投与する。
そうすることによって、効果を評価するために指標のようなものを設けるわけである。
では、ピッチャーのコントロールとはまったく別物か。
父はよくストライクを投げるピッチャーがいいピッチャーではないと言っていた。確かに、ストライクしか投げないピッチャーなら、打者にとってやりやすいこと、このうえない。
ピッチャーはまた、敬遠の時のように、とんでもないところにもボールを投げる。
では、ピッチャーの評価は何を基準としているか。基本的にはキャッチャーの指定した球筋ということになる。
それがなければ、ピッチャーのコントロールがいいかどうか、判断のしようがない。
そう考えていくと、キャッチャーの指定した球筋とこの対照とが実は本質的には同じものであることがわかってくる。
英語の単語には(何語でもそうかしれないが)、一見、さまざまな意味があるように見えて、実はひとつながりの「ひとつの」意味しかないのである。
このことは次に番外編で書いてみたい。
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