医学の英語はこんなにカンタン

医学の英語は、ふつうの英語とは別物、ずっとカンタン。それを書いていきます。

sample size

たった2つのことをイメージするだけで、英語の冠詞がわかるようになる
たった2つのことをイメージするだけで、英語の冠詞がわかるようになる
Independently published



 臨床試験の話をしていて、急に sample size が出てくると、途端にパニックに陥る人がいる。いったいどんなサンプルを取ったのか、どこにも書いていない。
 わからないけど、そう書いてあるのだから、サンプルサイズ、サンプルの大きさと理解しておこう——たぶん、上達を妨げているいちばんの原因はそこにある。


 わからなければ、わかるまで考える——それしかない。
 答えはいつも英語の外にある。


 臨床試験をしているのだから、sample とは対象患者のこと。size その大きさなのだから、対象患者数のことになる。



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in は中にあらず、「おいて」では意味不明

in が中なんて誰が決めたのだろう。


This condition was first described in German soldiers.


はて、この病態は初めて記載されたということだが、この in は何だろう。


こういう in を機械的に「おいて」とする人がいるが、それで意味がわかるのかどうか。百歩譲ってピンとくるのかどうか。


最初から日本語で書かれた本でも「認知症患者における治療法」なんて題名のものがある。少なくとも「~に対する」、「~を対象とする治療法」なら意味がよくわかる。


A trial was conducted in 480 patients with A disease. 


これなんかも同じことで、A病患者480例においてでは意味がわからない。A病患者480例を対象に試験を実施したなら、よくわかる。ところが、思い切ってそうできないのは、それは意訳だと言われる恐怖に日々苛まれているからだ。


辞書は最後まで読まないといけない。in にはちゃんと「対象とする範囲」という意味が書いてある。


つまり、in German soldiers の in は症例研究の対象範囲を示す in である。


この病態はドイツ兵を対象に(した研究で)初めて記載された。


意訳が私は悪いとは思わないし、それ以前に直訳か意訳かという議論自体が不毛であるが、それ以前に、in を「~を対象に」とするのはまさにガチガチの直訳なのである。




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番外編、ひとつの単語の意味はひとつ

 controlで見たように、いくつもの意味があるように見えて、実はひとつの単語の意味はひとつです。意味というより、イメージと言えばいいのか、かなり抽象的なイメージを同じくするものは、同じ単語で表すことができます。


 たとえば、application 
 貼付薬、申込書、応用、塗布などずいぶんさまざまな意味があるように見えますが、実はひとつのイメージで把握することができます。


 そんな時に役に立つのがやまとことばです。


 あてがい


 何等かの目的があって、それにあてがうのが応用、
 痛いところ、傷などのあてがうのが、塗布、貼付薬、
 何科を申請しに来たひとにあてがうのが申込書です。


 では、battery 
 ピッチャーとキャッチャー、
 電池
 鶏の産卵用ケージ


 なんともバラバラな意味のものを集めたように見えますが、


 基本的には「やりとり」のイメージです。
 野球では球のやりとりをし、
 電池はイオンのやりとりをし、
 産卵用ケージでは、餌と交換に卵のやりとりをします。


 英語の単語と日本語の単語は1対1の対応をしません。


 ですが、イメージで捉えれば、ひとつのイメージとして対応します。




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